ジェット・オリジナル

その煙草との出会いは、一週間ほど前に遡ります。

いつもの煙草屋さんの棚にひっそりと並べられ、これといったポップも新発売の文字も書かれていない謎の煙草。
まるでそこに居て当然かのような佇まいに、「見たことも聞いたこともない煙草ですが、きっと昔からある煙草なのでしょう」と特に興味を抱くこともありませんでした。

ですが、一週間ほど経ち、なにか新しい煙草は出ていないのでしょうかと調べてみると……。
その時の謎の煙草の写真があったのです!
常連のように居座っていたあの煙草が新発売だなんて! と慌てふためき、煙草屋さんに買いに向かいました。

それは――。
ジェット・オリジナルです!

価格は320円。
キャッチコピーは「見かけはスマート」「たっぷりボディ」「しっかりテイスト」「手頃なプライス」です。
たっぷりボディという言葉のセンスに若干の不安を覚えますが、それ以外はとても興味をそそられます。

一度は見過ごしてしまった煙草。
片道三十分かけて買って来た煙草。
その喫味がどのようなものなのか楽しみで仕方ありません。
できれば、その労力に見合う喫味であれば嬉しいなと切に願っております。

外観

青いパッケージに白い飛行機。
一見すると、どこかの航空会社の販促物のようにも見えますが、中身は立派なリトルシガーです。

そして、言うまでもありませんが、この煙草の銘柄名はジェット機から拝借して付けられています。
色合いから察するにベトナム航空の飛行機に近いような気がするのですが、この煙草の生産国はインドネシア共和国。
ベトナムとは一切関係ありません。

見慣れたリトルシガーの色味です。
長さは約83㎜、太さは約6.5mmなので、一般的な紙巻煙草と長さはほぼ同じなのですが太さは若干細身です。

キャッチコピーには「見かけはスマート」と書かれていましたが、普通にスマートだと思います。

喫味

喫味は普通でしょうか……。
ほんのりと香ばしさを感じるのですが、美味しいと絶賛するほどでもなく、不味いと酷評するほどでもなく。
これと言って際立った特徴はありません。
どことなくフォルテ・オリジナルを彷彿させるような喫味です。

と言いましても、フォルテ・オリジナルを嗜んだのは数カ月前。
しっかりと喫味を覚えていられるほど記憶力に自信はないので、吸い比べをしてみたら全く違う味がするという可能性も大いにあります。
それでもやはり、似ているなと思ってしまったり……。

もしかしたら、インドネシアの方々にしてみれば、これが万人受けする喫味なのかもしれません。
そう考えると、わたしの感想もあながち間違えていないということに!
……なるといいな。

結論

一般的な紙巻煙草とほぼ同じ大きさで、千円で三箱も買えるという煙草は今迄見たことがありません。
これで喫味が美味しければ言うことはなにもないのですが……。
残念なことに喫味は普通なのです。

ですが、決して不味くはありません。
なので、フォルテを嗜み一本では満足できない方や煙草代の節約を考えている方は試してみるのも面白いかもしれません。