ジョーカー・トリックメンソール・ジンライムカプセル

ジンにライムを入れるとジンライムというカクテルになります。
人気カクテルランキングに名を連ねることはありませんが、ジンとライムさえあれば誰でも作れるので、家で作るカクテルの定番と言っても過言ではないほど庶民的なカクテルなのです。

そんな庶民の味方ともいえるカクテルが煙草にも進出してきました。

その名は――。
ジョーカー・トリックメンソール・ジンライムカプセルです!

ジョーカーです。
どうやら、2001年に廃止されたようで、以降は「伝説の煙草」と言われ惜しまれていたとか。
真偽のほどは定かではありませんが、その熱望に応え2014年にリトルシガーとして復刻したのかもしれません。

そして、現在。
煙草屋さん曰く「なんだか良く分からない煙草」として新銘柄が発売されました。
なんだか良く分からない物を売るのはどうかと思うのですが、価格は390円とお手頃なので気兼ねなく買うことができます。

伝説とまで言われた煙草。
それを垣間見ることができるということに心、躍らずにはいられません!

外観

ロック・オリジナルとは違った方向で派手な箱です。

そして、トリックメンソールという謎の言葉。
普通のメンソールでしたら、ただ「メンソール」と書けばよいはず。
それを、わざわざトリックメンソールと明記しているのですから何か深い理由があるのでしょうか?
それが何なのか想像もできませんが、少なくとも箱を見るだけでその片鱗を伺うことができます。

逆さまにしても同じロゴ。
中央の顔は怖い表情から笑顔に。
このように細部に至るまで楽しませようという心遣いは、とても嬉しく思わず顔がほころんでしまいます。

何の前情報もなく買ったので紙巻煙草だと思い込んでいたのですが、どこからどう見てもリトルシガーです。
冷静に考えれば価格を見て気付くべきでした。

喫味

手巻煙草は嗜む前に巻き巻きが必要になるのですが、リトルシガーは火をつけて吸うだけなのでとても楽ちんです。
もしかしたら、手巻煙草が流行らないのはコンビで売られていないというのもあると思うのですが、この手間暇も一端を担っているのかもしれません。

それでは、早速嗜んでみたいと思います。

煙草に火をつけて、軽く吸い込むと――。
薄っすらとしたジンライムの香りとほどよいメンソールが口の中を満たします。

とくにトリックメンソール感はありません。
ジンライムの香りがするというだけで、とても珍しくも面白い喫味なのですが、過大な期待をし過ぎたせいなのでしょうか、いささか拍子抜けしております。

うーんと唸りながら、もう一度パッケージを見てみると「ジンライムカプセル」という単語が。
そのようなカプセルはどこにも見当たりません。
箱を見ても説明がないので困惑していたのですが、ふと閃きました。

もしかしてフィルターに何か入っているのでは? と。

吸いえ終えた煙草のフィルターをハサミで切ってみると、プチンという音と共にジンとライムの強烈な香りが。
ジンライムカプセルの正体はこれに違いありません。

意気揚々ともう一本取り出し、カプセルらしきマークのあるところを強く押すとプチンという音が響き渡ります。
相当強めに押さないとカプセルは割れません。
これでジョーカー・トリックメンソール本来の姿を見ることができそうです。

それでは、もう一度嗜んでみたいと思います。

煙草に火をつけ軽く吸い込むと――。
先ほどとは比べ物にならないほど強烈なジンライムの香りとメンソールが押し寄せてきます。
煙草葉は微塵も感じません。
もう、どこまでもジンライムの味しかしないのです。

これは――。
とても面白いです!

煙草としての美味しさよりも、ただただ楽しませたいの一点に特化させた喫味と言っても過言ではありません。

まさにトリックです!
とても悪戯心に溢れている面白い煙草だと思います。

結論

美味しい煙草を嗜みたいな思ったときに、ジョーカー・トリックメンソールが候補に挙がることはありません。
これは、面白い煙草を吸いたいなと思ったときや、香りだけでもジンライムを飲んでいる感覚になりたいなと思ったときに嗜む煙草なのです。

なので常喫する煙草にはなり得ませんが、それでも唯一無二とも思えるこの喫味はとても面白く、そのときの気分によってはまた買ってみたいなと思える程の魅力があります。

もし、7月の下旬に出ていたら、この爽やかな喫味の虜になっていたかもしれません。

価格もお手頃なので、もし煙草屋さんで見かけたら試してみるのも一興かと思います。