煙草代が80%節約できるという夢のような喫煙具があるそうです。
それはヴェポライザーと呼ばれており、煙草葉を加熱して嗜むというアイコスと似たような商品だとか。
細かな違いは沢山あるのですが、その中で最も心を動かされたのはシャグが使えるということです。ただでさえ節約に貢献している手巻煙草が更に安くなるなんて信じられません。
本当は興味を抱いただけなのですが、世の為人の為、その真偽を確かめるという大義名分を掲げ買ってみることにしました。
ですが、最初から高価な物を買うような豪胆さは持ち合わせておりません。
なので小心者は小心者らしく低価格帯の物から、それなりに良さそうな商品を買いました。
それは――。
XMax AVANT(エックスマックス・アバント)です!
低価格ながらも喫味が良いと評判なので、ヴェポライザーを試すには丁度良さそうな気がします。
どのような喫味がするのか想像もできませんが、初めてのヴェポライザー。楽しみで仕方がありません。
外観
見た目からして必要最低限のものしか搭載していませんと言われているような気がします。
まあ、実際に必要最低限の機能しかないのですが……。
それでも問題ありません。
初心者にはこれくらいが丁度良いのです。
たとえ色々な機能があったとしても、使う機能は三割程度なのですから。
もちろん使い方も簡単です。
パワーボタンを三回押すと電源が入り、その状態でパワーボタンを長押しすると温度が変わります。
あとは加熱が終わるのを待つだけです。
大体20秒ほどでしょうか。LEDインジケーターが点滅から点灯に変われば喫煙することができます。
ちなみに喫煙時間は3分半。
アイコスの6分と比べると、とても短いように思えます。
また、加熱の終了や喫煙の終了をバイブレーションで知らせるといった親切機能はありません。
全て目視です。
低価格帯の機種なので仕方がないのですが、何気なく使っていたアイコスのバイブレーション機能の利便性に今頃気づきました。
準備
マウスピースを外してチャンバーにシャグを詰めます。
説明書には「あまり多く詰めると空気が通らなくなる」と書かれているので気持ち少なめに。
指先でひょいと摘まみチャンバーに詰めます。
この時、ぎゅうぎゅうに詰めると空気が通らなくなると思うので、軽く押し込むような感じでやった方が良いかもしれません。
アンバーリーフの喫味
設定温度を何℃にすれば良いのか分からず、説明書を読み返してみると「お好みの温度で」と書かれていました。初めてヴェポライザーを使う人間に好みなどあろうはずがありません。
なので、様々な思考を巡らせた結果、一番低い180℃にしてみようという結論に至りました。
パワーボタンを押し、設定温度を180℃に。
バイブレーションで加熱の終了を知らせる機能はありませんので、LEDインジケーターをぼーっと眺めます。
――待つこと20秒。
LEDインジケーターが点灯に変わりましたので、初ヴェポライザーを早速試してみたいと思います。
マウスピースに口を添え、軽く吸い込むと温かい蒸気が流れ込み口の中を満たします。
うーん……。
酸味が強いです。
手巻煙草で嗜んだときよりも煙草葉の輪郭をしっかりと感じ、全体的に濃厚な喫味になっているのですが、アンバーリーフ特有の酸味も強くなってしまい吸うたびに煙草葉と酸味の不協和音が押し寄せてきます。
あまり好きな喫味ではありません。
これは素直に手巻きタバコとして嗜んだほうが美味しような……。
また、温度が低いからかどうかは分かりませんが、蒸気の量はかなり控え目でほとんど出ていないと言っても過言ではありません。
なので煙草として機能しているのかどうか若干の不安が残ります。
アークロイヤル・パラダイスティーの喫味
アンバーリーフの喫味はあまり好みではありませんでした。
ですが、ヴェポライザーの特徴と言いますかクセのようなものが何となく分かったような気がするのです。
それは、喫味の7割はシャグそのものの香りで、残りは煎った煙草葉の香りということ。つまり、パウチを開けたときに感じる香りが喫味の大半を占めているということになります。
もし、これが正しいのであれば、アークロイヤル・パラダイスティーがとても美味しいと言うことに……。
早速試してみたいと思います。
設定温度はアンバーリーフと同じ180℃に。
LEDインジケーターをぼーっと眺め、点滅から点灯に変わったので吸ってみたいと思います。
マウスピースに口を添え、軽く吸い込むと――。
豊かなアールグレイの香りと焙じた茶葉のような香りが口の中を満たしてくれます。
これは、とても美味しいです!
燃焼していないのでタールは感じません。
なので手巻煙草とは大分違う喫味になっているのですが、それでも美味しく嗜むことができます。
なによりも、香りをより強く感じるのです。
まるで、角砂糖をひとつ入れた紅茶を飲んでいるような、そんな満足のゆく気持ちにさせてくれます。
ただ、やはり蒸気の量は少ないです。
こればかりは、どうしようもないのかもしれません。
マウスピースの掃除
全てのヴェポライザー当てはまるのか、それともこの機種だけに起こる現象なのかは分かりませんが、何回か使っているとマウスピースから水のようなものが漏れてきます。
このまま使っても問題無さそうな気もするのですが、あまり気持ちの良いものではありません。
なので、マウスピースの掃除をしたいと思います。
マウスピースは分解することができます。
一応、メッシュも外せるのですが……外したらバラバラになり駄目になってしまったので外さない方が良いのかもしれません。
あとは水洗いするだけです。
歯ブラシなどを使ってゴシゴシするとより綺麗になります。
チャンバーの掃除
一週間ほど使っているとチャンバー内が汚れてきます。
説明書には「無水エタノールで掃除して下さい」と書かれているのですが、無水エタノールではなかなか汚れが落ちません。
「完全に汚れが落ちなくても使用には問題がありません」とも書かれているのですが……。
ここまで汚れると気になります。
なので、どうにかして掃除をしなければと思い色々準備をしました。
ダイソーで買ったアルカリ電解水とベビー用綿棒です。
セスキ炭酸ソーダを使って掃除をしてみたら新品と見紛うほど綺麗になったのですが、液体が蒸発すると粉のような粒子が出てきたのでアルカリ電解水にしてみました。
綿棒は普通のサイズよりもベビー用の方が良いです。
細かい所まで掃除できます。
それでは、早速掃除してみます!
1.チャンバーの底にある網をピンセットで取ります。
2.小さな容器にアルカリ電解水を少量入れます。
3.電源を入れ、温度を180℃にします。
4.後は綿棒にアルカリ電解水を浸けてゴシゴシするだけです。
熱しながらゴシゴシすると汚れが綺麗に落ちます。
茶色く薄汚れたチャンバーが真っ白になりました!
念のため、水を使ってもう一度だけ掃除をして、アルカリ電解水を拭き取ります。
これで簡単にかつ確実に綺麗になるのですが、試してみる場合は自己責任でお願いいたします。
結論
なんとなく分かっていたのですが、喫煙具と掃除は切っても切れない関係にあるようで、煙管に限らずヴェポライザーも定期的に掃除をしなければなりません。
その頻度は煙管と同じくらいでしょうか。
ですが、掃除を怠った煙管よりも実害はないので、とくに気にならないのであれば、そこまで掃除をしなくても良さそうな気がします。
また、喫煙後。
煙管は爪楊枝などを使って軽く火皿の掃除をするのですが、この機種はマウスピースを外し、トントンと叩くだけでシャグがポロリと落ちてきます。
楽ちんです。
どう考えてもヴェポライザーの方が手間が掛かりません。
ただ、喫味は手巻きや煙管の方が上です。
ヴェポライザーでも美味しく嗜めるシャグはあるのですが、相性が悪いものに当たると、これはちょっぴりいただけないなと思うことも。
なので、ヴェポライザーで美味しくいただけるシャグはヴェポライザーで、そうでなければ手巻きや煙管でと使い分けた方が良さそうです。
煙草代が1/5に! という謳い文句。
本当に1/5になるのか分かりませんが、一回の喫煙で使うシャグの量を考えると節約に貢献してくれるのは間違いなさそうです。