エコー・シガー

わかばと運命を共にした旧3級品煙草のエコー。
わかばよりも2年遅れの1968年に発売され、約50年ものあいだ愛され続けてきたのですが、ついにその幕を下ろすことになりました。

煙草に限らず、長い時を紡いできた糸が断ち切れるというのは悲しいもので、それが身近なものであればあるほど何とも言えない気持ちになります。

例えばグリコのドロリッチ。
とても大好きだったのですが、年々内容量が減少していき、最後には無くなってしまいました。
他にも森永のチョコフレークや明治のポルテなど両手では数えきれないほど多くの商品が消えていったのです。これらの商品は、再販を願い、どんなに待ち続けたとしてもきっと帰ってくることはありません。

ですが、エコーは帰ってきました!
エコー・シガーとして!

価格は旧エコーと同じ350円。

葉巻になってしまったので、素直に「帰ってきた!」と喜んでよいのか分かりませんが、兎にも角にも次の世代にバトンが手渡されたのは事実。姿形は変われども、日本たばこ産業が「変わらない味と価格」と謳っている限り、エコー・シガーはエコーそのものなのです!
たぶん……。

外観

旧エコーのデザインは昭和レトロと言うよりも、リアルな昭和という感じがするのですが、エコー・シガーは現代の感覚に合わせたお洒落なデザインになっています。

味わい深いデザインという意味では旧エコーを推したいのですが、やはり、エコー・シガーのチョコレートを彷彿させる美味しそうなデザインの方が好みかもしれません。

巻紙(まきし)がシートタバコになり、フィルターが白から茶色になったという違いはありますが、それ以外の部分――長さ、太さ、ロゴは全て同じです。

わかば・シガーのときも思ったのですが、煙草の大きさを変えないという姿勢に旧わかば、旧エコーへの愛情が見え隠れしているようで、とても好感が持てます。

エコーの喫味

初めてのエコーです。
旧3級品の煙草はとんと縁がないようで、気が付いたら既に廃止されているものばかりでした。
唯一残っている旧3級品煙草は沖縄限定のうるまのみ。
気軽に買いに行ける場所ではないので当分嗜むことはなさそうです。

なので、旧3級品の煙草を嗜むということは、最後の一箱を嗜むということになるので、大切に嗜みたいと思います。

それでは、早速。
煙草に火をつけ、軽く吸い込むと――。
まったりとした煙が口の中を満たし、煙草葉の甘い香りが鼻をくすぐります。

これは美味しいです!

甘味が強く、雑味もあまり感じません。
また、わかばのように独特のクセもないので、普通の煙草として美味しくいただけます。

これが廃止されるなんて勿体ないと思ったのですが、それと同時にエコー・シガーへの期待感が高まりました。
エコーがこれだけ美味しいのですから、葉巻となったエコー・シガーが美味しいのは必然。どのような喫味になっているのか楽しみで仕方ありません。

エコー・シガーの喫味

それでは、期待に胸を膨らませつつ、エコー・シガーを嗜んでみたいと思います。

煙草に火をつけ、軽く吸い込むと――。
スモーキーな香りと煙草葉のほのかな甘味が口の中に広がります。

これは、ほぼ間違いなくエコーの喫味です。
なので感想もエコーと同じく美味しいとなるのですが……。

これは嗜む順番を間違えたのかもしれません。
もし、エコー・シガーを先に嗜んでいたら間違いなく「美味しい!」と感動に打ち震えていました。
しかし、先に嗜んだのはエコーなのです。
エコー・シガーのコンセプトを考えればとても喜ばしく、決して何も間違えていないのですが、同じ喫味の煙草を連続で嗜んでも、一本目を上回る感動は得られません。
ただただ同じ銘柄の煙草を二本嗜んだだけという感覚に。

ですが、何もかも同じというわけではありません。
甘味は抑えられ、香ばしさを強く感じるので、全体的に味が濃くなり、とても重い煙草を嗜んでいるような感じがします。

それ以外はエコーそのもの。
とても美味しくいただくことができました。

結論

わかば・シガーほどではありませんが、喫味は重めで、一本嗜むだけでお腹いっぱいになります。

なので手間をかけずに煙草代の節約を考えるのでしたら、その候補に挙げても良いような気も。
喫味もエコーとほぼ同じなので、エコーを常喫している方はもちろん、節約を考えている方も一度試してみるのも面白いかもしれません。