スウィッシャー・スイート・フォイルパウチ・バニラ

雨、雨、雨……。
家の中でしたら、雨音を聞きながら少しだけしんみりとしたり、寂しげな雰囲気に浸るという遊びができるのですが――。
外に出るとなると話は別です。
億劫で仕方ありません。

……でも、もう煙草がないのです。
これは骨惜しみをしている場合ではありません。
嫌々ながらも重い腰を上げ。雨の中、煙草屋さんに行ってきました。

雨が降っているなか買いに行ったからでしょうか。
つい色々と買ってしまいました。

その中のひとつが――。
スウィッシャー・スイート・フォイルパウチ・バニラです。

価格は270円。
アメリカ産のシガリロです。
今まで嗜んだ葉巻は安くて短いものばかりだったのですが、今回は長いのにお手頃な価格でしたので思わず買ってしまいました。

ちなみに二本しか入っていませんので一本あたりの価格135円です。
一般的な紙巻煙草が一本あたり25円くらいですので、5倍も高価な煙草ということになります。
節約とは無縁の煙草です。
でも、雨の中買いに行ったのですから、これくらいの贅沢は許されますよね?

外観

一見するとペット用のジャーキーに見えなくもないのですが……。

侮ってはいけません。
このパウチ。一度開封してもチャックで密閉することができる優れものなのです。
ゆるりと嗜む葉巻と相性が抜群です。
些細なことなのですが、このような心遣いをしていただけるとつい嬉しくなってしまいます。

でも、このパッケージの七割を覆う警告表示はいただけません。
裏側にも同じ大きさのシールが貼られていますので、パッケージから得られる情報は銘柄名とバーコードのみ。
どうしても喜びが半減してしまいます。

開封前は煙草葉で巻かれているに違いないと確信していたのですが、普通にシートタバコで巻かれていました。
少し残念です。

でも、開封時にふわりと美味しそうなココアの香りが漂いましたので、喫味は大いに期待できそうです!

喫味

……と普通に受け入れてしまいましたが、バニラを買ったはずなのに何故ココアの香りがするのでしょうか?
不思議です。

でも、バニラもココアも美味しい香りなので、深く考えずに楽しく嗜んでみたいと思います。

それでは、早速。
煙草に火をつけ、軽く吸い込んでみると――。
もわっとした煙と言いますか、まろやかな煙と言いますか、とにかく今まで経験したことのない煙が優しい煙草葉の香りとほのかな甘みを口の中に運んできます。

美味しいかと問われれば美味しいとなるのですが……。

思わず「あ、美味しい」と言葉がこぼれるほどではありません。
全体的に可もなく不可もなく。変なクセもありませんので誰でも楽しむことができる喫味だと思います。

でも、肝心のバニラ感はほとんど感じません。
吸口のシロップも甘いだけですし、意識して嗜んでも遠くの方にあるようなないような、と言った感じです。

もしかしたら、わたしの嗜み方が下手という可能性も十分に考えられるのですが、それを踏まえたとしても心行くまで堪能し楽しむことができました。

結論

嗜むこと三十数分。
その間は、日々の喧騒を忘れ、なにも考えずにゆるりとした一時を過ごすことができました。
この充実感はなんなのでしょう。
これが大人のゆとりなのでしょうか。
貴重な時間を何もせずに過ごすというのは、これほどまでに贅沢なことなのでしょうか。
そう思えるほど楽しく嗜むことができました。

長い葉巻を嗜むのは初めてなので、このスウィッシャー・スイートの良し悪しはまだ分からないのですが、このような経験ができたのはとても嬉しかったです。
これを機に他の長い葉巻も試してみたいなあと思いました。

葉巻としては価格も安いですし、長い葉巻に興味のある方は是非一度試してみるのも面白いのかもしれません。
きっと豪奢な一時を過ごせると思います。