ピース・リトルシガー

大寒とは思えないほど温暖な気候のなか、普段からぼーっとしている頭を更にぼーっとさせながら、インターネットでニュースを見ていると、『ピース・リトルシガーが数量限定で販売』という記事を見つけました。

ピース・リトルシガーは過去に二回ほど販売していたので存在は知っていたのですが、気が付いた頃には売り切れていて購入することができなかったのです。

それが再版されるとなれば買わざるを得ません!
しかも、外は冬とは思えないほど温暖な気候。
わたしを遮るものは今やなにもないのです!

なので、買ってきました。
ピース・リトルシガーを!

価格は550円。
リトルシガーは安いという固定観念を覆しています。
むしろ、本家のピースシリーズよりも高価です。

これは生産数ゆえか、それとも数量限定という希少性を盾に強気な価格設定をしているのか判断はできませんが、どちらにしても高い煙草であればそれなりの嗜み方があるというもの。
休日に紅茶やコーヒーを片手にゆるりと嗜んだり、旅行先で大自然を眺めながら嗜んだりと、とにかく大切にちみちみと嗜めば良いのです。
まあ、喫味が良ければなのですが……。

なんにせよ、待ちに待ったピース・リトルシガーなのですから、その喫味を心行くまで堪能したいと思います。

外観

基本的なデザインはピース・ライト・ボックスを踏襲しているのですが、高級感を出すためにお洒落な煙草葉の絵が付け足されています。
たったそれだけのことなのですが、これほどまで特別感や満足感を得られるなんて思いもしませんでした。
デザインは偉大です!

ちなみに、ピースの包装デザインをした方はラッキーストライクのデザインをした方と同じだそうで、当時(1946年)の価格で150万円もの大金を支払ってデザインをしてもらい話題になったとか。
まあ、それが現代の価格で幾らなのか分かりませんが、結果として売り上げが5倍も増えたそうなので英断と言わざるを得ません。
ダブルハピネスも見習って欲しいものです。

包装はとても高級感があるのですが、煙草自体はよくあるリトルシガーそのものです。
これと言って特別感は感じません。

そして、古代エジプトの壁画に出てきそうな鳥――。
ピースのシンボルマークがフィルターに印刷されています。
今まではとくに意識をしていなかったのですが、気になってしまったので、これ幸いと思い立ち調べてみました。

簡単に説明しますと、旧約聖書のノアの箱舟が題材のようです。
箱舟から解き放った鳩がオリーブの葉をくわえて戻ってきたので洪水の終わりが近いと思ったとか思わなかったとか。
この話が元になって、鳩が平和の訪れや平和そのものの象徴になったそうです。
つまり、ピース(平和)だから鳩なのですね。
ひとつ勉強になりました。

喫味

それでは早速、嗜んでみたいと思います。

煙草に火をつけ、軽く吸い込むと――。
クセのない柔らかな煙と濃厚で甘いバニラのような洋酒のような香りが口の中を満たします。

これは――。
とても美味しいです!

バージニア葉特有の酸味はあまり感じませんが、本家のピースシリーズよりも上品で高級な喫味を堪能することができます。
まあ、価格や包装に引きずられて、そう思い込んでいるだけというのも否めませんが、それでもこの美味しさに舌鼓を打たずにはいられません。

ちなみに、喫味はあまり重くないです。
正確に言えば嗜んでいるときは重さを感じないのですが、味をしっかりと確かめようと二本連続で嗜んだときに少々気持ちが悪くなったので、もしかしたら想像以上に重い煙草なのかもしれません。

価格もさることながら数量限定なので、二本連続で嗜む機会はあまりないと思うのですが、重い煙草を吸い慣れていない方は気を付けた方がよいような気もします。

でも、とても美味しい喫味でした。

結論

稀に少し贅沢をして紙巻煙草を嗜みたいなと思ったときに購入するのは、ロングピースやピース・ライト・ボックス。アメリカンスピリットのターコイズやペリックをその時の気分によって買い分けているのですが、この煙草はそれらに匹敵するほど美味しいと思える煙草でした。

ただ、惜しむらくは数量限定といこと。
いつでも好きなときに買えるものではありませんので、常喫する煙草にはなり得ないのです。
なので、販売されている時くらいは、他の煙草を押しのけてピース・リトルシガーを優先的に買いたいなと思いました。
まあ、価格が価格なので毎回嗜むことはできませんが……。

それでも、とても美味しい煙草なので興味のある方は品切れになる前に試してみるのも一興かと思います。
きっと価格に見合うだけの喫味を提供してくれるはずです。